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インクは生きている
だから印刷は一期一会である

クサカ印刷所では、毎日「刷る」という仕事を通じて、インクと紙が出会うその一瞬一瞬に向き合っています。インクの気まぐれ、紙の個性、天気や温度のちょっとした変化――そうしたすべてが、一枚の印刷物の表情をつくっていきます。この記事では、そんな印刷の“生きものらしさ”と、紙というメディアのもつ力、そして私たちがこの仕事を続ける理由について、少しゆっくりお話ししてみたいと思います。

もくじ

はじめに

 「印刷って、全部同じものを大量に複製する作業でしょ?」――そんなイメージをお持ちの方も多いかもしれません。確かにそう見えるかもしれませんが、実は見た目がそっくりでも、刷られた一枚一枚には“違い”があります。気温や湿度のわずかな変化、紙の質感や繊維の方向、機械の微妙なクセ、そして何よりインクという“生きもの”のちょっとした反応――。

 

私たちは、安定した仕上がりを目指して環境管理や調整に気を配りながらも、それでも生まれる一枚ごとの表情の違いに、小さな驚きと面白さを感じています。だから毎回の印刷に、少しの緊張感と、ささやかな楽しさを持って向き合っています。

インクの“ご機嫌”は、いつも少し違う

インクって、けっこう繊細なんです。温度や湿度の管理には気を配っていますが、それでも自然のわずかな変化や紙のコンディション、機械のクセなどに反応して、毎回ちょっとずつ表情が変わります。同じ紙・同じ版・同じ設定で刷っても、昨日と今日では仕上がりに微妙な違いが出ることもある。けれど、そこにこそ印刷の面白さがあるんです。

 

にじんだり、かすれたり、意図しなかった美しさが生まれることもある。「今日のインク、なんかいい顔してるな」なんて思いながら、一刷り一刷りに向き合っています。

「すべて同じ」より、「たったひとつ」の価値を

すべてを同じように再現するだけなら、正直、デジタルの方が正確で速いです。でも、紙とインクと職人の技が交わって生まれる“一枚の重み”は、印刷でしか出せません。そのときの空気、その場の判断、その一瞬にしか出せない風合い。量産じゃない、一点モノの価値がある。

 

私たちは、そんな「刷る」という行為そのものに、創作のような誇りを持って取り組んでいます。

偶然の美しさを、必然の品質に変える

「印刷って、毎回仕上がりが違って大変じゃない?」と聞かれることもあります。でも実は、そこが職人の腕の見せどころなんです。機械のクセを読んだり、紙の状態を見極めたり、ほんのわずかな色味の違いを感じ取って調整したり――。

そうやって偶然をコントロールして、どの一枚を見ても“美しい”と思える仕上がりにしていく。安定した中にある、ちょっとした個性。それが、私たちの目指す印刷のカタチです。

なぜ今、“手間のかかる”印刷なのか

今の時代、手間のかかる印刷なんて必要なの?って言われることもあります。でも、その“ひと手間”があるからこそ、紙に深みが出て、想いが宿るんです。人の手で整えて、人の目で確認して、人の感覚で刷る――そうすることで、届ける相手に「ちゃんと伝えたい」という気持ちが乗る。

 

それは単なる情報じゃなく、体温のある“伝え方”になります。だから私たちは、効率よりも「想いが伝わるかどうか」を大事にしています。

一枚に、想いを宿す仕事

「この紙、なんか手に残る感じがする」「同じに見えるけど、何かが違う気がする」そんなふうに感じてもらえたなら、それはとても嬉しいこと。一枚一枚に、意味がある。出会う人に、届く瞬間がある。私たちは、そんな“一期一会”を大切にしながら、今日もインクと向き合っています。

まとめ

印刷のこと、紙のこと、データのこと少しでも「どうしようかな」と思ったら、弊社、クサカ印刷所にお気軽にご相談ください。あなたの「わからない」を一緒に「カタチ」にするそんな会社でありたいと思っています。

 

まずは、お気軽にこちらからご相談ください。

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